南丹市 錠前交換


京都の鍵屋ペテロです


南丹市の方から錠前が故障して開けられないので開けて欲しい


というご依頼


現地にて錠前を見ると

あー、壊れたって、たまに出会うやつ

ミワ製の「GAS2」に似た

「GAS3」というやつです


ガードアームが付いていて、半分だけ鍵を回すと

アームが出て、ドアガードの役目をはたしてくれる

一石二鳥的な錠前です。


一石二鳥的なためか、このガードアームが引っかかって動かなくなります


鍵があるのに家に入れない


調子良く動いてくれてると便利な錠前です


でも機嫌悪くなると、ご主人様さえ出禁にしてしまう恐ろしい錠前。


機嫌悪くなるというより、壊れてしまうのですが。




この錠前は自分の終わりを知っていて

もうすぐ壊れるぜって時になると


結構前から調子悪くなります


サムターンが回しにくくなって


鍵もなんか引っかかるような違和感が出ます


油を差すとその時は動きがましになります


でもまた調子悪くなる



また油差せばいいや！と油断する等と

ある日突然、全く動かなくなります


今回の錠前も同じく


調子悪いなーと思いながら使ってたそうです



マグレであと一回動いてくれたら、開けられるのにと


油差したり、叩いたり、ゆっくり回したり、きつく回したりしましたが


全く動きません


ガードアームが引っかかっているだけなので、家の中が見えてる


手も入る


でも、開かない！


他のところから開錠して、錠前を分解して玄関を開けようと思ったのですが


お客様
「どうせこの錠前壊れてるので、この錠前を破壊して開けてください」


鍵屋ペテロ、壊すのは少しだけ抵抗ありです(鍵屋のつまらないプライドでしょうか)


でもここは壊すのが一番早い



壊して玄関開錠しました



GAS3の新品錠前に交換ですが


在庫持ってませんでしたので後日交換です。


しかも恥ずかしいことに

鍵屋ペテロ、鍵屋のくせに


GAS3ということに気がついていませんでした


今まで出会ったこの錠前、全て「GAS2」だったので、


今回もGAS2だと思って入荷して交換に行ったら


サイズが全く違う！


え、え、え、えーー？？？？



よく見たら「GAS3」と刻印あるやん！


間違えとるやんけ！



お客様にものすごく謝って
(お客様、とても優しくて、いいよ〜って)

すぐ注文


あとお客様のご都合に合わせて交換


やっぱり新品はスムーズです


お客様もこれで安心とホッとされました




でも



でも



2日後、また同じ症状で家に入れないと電話！



え、え、え、えーー！！！


新品やのに？


どこで間違った？



考えるより動かなきゃ！


速攻でお客様のところに行って

鍵を見ると


確かに同じ症状に見える


ガードアームが引っかかって開かない

しかも今度は鍵が最後まで鍵穴に入らなくなってる





はい、わかりました



原因が！


この錠前はミワの古い鍵が使われています
H248というディスクシリンダーです。

今は生産中止の商品です。


錠前を新品交換した時お客様に鍵交換もついでにどうですか？


と勧めたのですが、錠前プラス鍵交換となるとかなりの高額


鍵に問題がないので、このままということになりました



確かに、このH248
鍵が太く、シンプルなので折れにくい、鍵の操作がしやすいというメリットがあります


ペテロもそのままでいいかなと思ってしまった



それが大間違い


今回新品交換した錠前、

現行使用されるシリンダーに合わせて作られています。当然ですよね。


そこに旧型のシリンダー、しかも数十年使われて、いろいろへたってる


そのへたったところが悪さして


今回の不具合となりました


新品には新品の鍵じゃないとダメです


U9シリンダーに鍵交換して万事オッケー


お客様には不安な思いをさせてしまいました


ディスクシリンダーはまだ使えるという思いと


全て交換だと高額

という思いが、全て新品交換を強く勧められませんでした


深く反省です。